11/30 新宮小・中学校の中学2年生の皆さんが来訪されました
令和5年11月30日(木)、四国中央市立新宮小・中学校の中学2年生5名が紙産業イノベーションセンターに来訪され、秀野 晃大講師による課外授業と施設見学が行われました。
授業では『PCRとは? 紙を溶かす酵素の遺伝子を増やして確認してみよう』と題して、PCRの解説と実験を行いました。
新型コロナウィルス感染症の検査方法として知られているPCRは、『Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応』の略称であり、生物の遺伝情報を持つ遺伝子(DNA)を複製・増幅させる方法です。PCRは、酵素の一種であるポリメラーゼを用いて、検体に含まれるごくわずかなDNAから特定の配列を短時間で大量に増やすことができるため、細菌やウィルスの検出、DNA鑑定等に活用されています。
授業では、まず、紙の主成分であるセルロースを分解する酵素(セルラーゼ)について紹介し、実際にセルラーゼによって紙が分解される様子を観察してもらいました。次に、PCR法の原理を説明した後に、セルラーゼの遺伝子を増幅させる実験を行いました。そして、増幅させた遺伝子を確認するためのアガロースゲル(寒天)電気泳動法について説明し、セルラーゼの遺伝子が増幅できているか確認してもらいました。
施設見学では、イノベーションセンターの実験室を紹介し、紙の作製に使用するシートマシンや離解機、セルロースナノファイバー(CNF)を作製するための石臼式電動摩砕機(グラインダー)、分析機器等の説明を行いました。
課外授業や施設見学を通じて、大学での研究を紹介するとともに科学の楽しさをお伝えいたしました。そして、PCRをはじめとする様々な発見は、学校での学びや日常生活の体験が基礎になっており、是非、たくさんのことにチャレンジして様々な経験を積んでほしいとのメッセージを送りました。
授業の様子
実験の様子 施設見学の様子