6/26 新宮小・中学校で内村 浩美センター長が出張講義を行いました
令和5年6月26日(月)、四国中央市立新宮小・中学校で愛媛大学紙産業イノベーションセンターの出前講座が開催されました。新宮小・中学校の小学6年生11名と、市内の小学4~6年生8名の合計19名を対象に、内村 浩美センター長が『お札の技術と新たな紙製品開発の可能性』と題して授業を行いました。
身近な紙のひとつに紙幣(お札)があります。お札には、すき入れや潜像模様などの目で見てわかるものから、凹版印刷を活用した手で触れてわかるものなど、様々な偽造防止技術が施されていることを紹介しました。また、畳表や電子機器の基盤、車のエンジンなどにも紙が使われており、紙には色々な用途があることを説明しました。
その後、トイレットペーパーとティッシュペーパーを水中でかき混ぜる実験を行いました。児童のみなさんの多くは『両方とも水中でバラバラになる。』と予想していましたが、実際にはトイレットペーパーは水中でほぐれるのに対し、ティッシュペーパーはほぐれない様子に驚いていました。実験を通して、見た目はほとんど同じ紙ですが、使う場面や用途に合わせて紙に機能を付与できることを学んでもらいました。この他にも、商品を綺麗に包装するために引っ張ると伸びる紙(クレープ紙)や、屋外で使用した際に雨や風に負けないような破れない紙(合成紙)、炎が広がることを防ぐための紙(難燃紙)などを紹介し、紙に新しい機能を付与することで、みなさんの生活が豊かになる新しい紙製品を開発できることを説明しました。
更に、紙産業イノベーションセンターで取り組んでいる研究について紹介しました。次世代素材であるセルロースナノファイバー(CNF)を連続的に脱水し、シート化する技術・装置の開発に成功し、作製したシートをレースカーのボディに実装した事例や、紙の特性を活かした医療診断用ペーパーデバイスの開発、ボールペンで書いた文字を筆記直後は消しゴムで消せますが、一定時間が経過すると消せなくなる機能紙の開発など、今の世の中にはない紙製品の開発事例について説明しました。
授業の最後には、研究開発では諦めずに続けることが大事であることを伝え、勉強やスポーツをはじめ様々なことに目標と情熱をもってチャレンジしてほしいとのメッセージを送りました。
授業の様子 偽造防止技術を学ぶ児童
実験の様子