7/6 新宮小・中学校で深堀 秀史准教授が出張講義を行いました
令和5年7月6日(木)、四国中央市立新宮小・中学校で愛媛大学紙産業イノベーションセンターの出前講座が開催されました。新宮小・中学校の中学3年生5名を対象に、深堀 秀史准教授が『働く紙作りにチャレンジしよう!』と題して授業を行いました。
私たちの身の回りには沢山の紙製品があります。紙は木材をほぐすことで得られる繊維(パルプ)から作られていることや、パルプは機械的にすりつぶす方法と薬品を用いて化学的に取り出す方法があることを説明しました。また、和紙の原料のひとつである楮の樹皮から紙ができるところを実演し、生徒のみなさんにはそれぞれの方法で作製した紙は風合いが大きく異なることを体感していただきました。
その後、紙に機能を持たせる実験を行いました。トイレットペーパーは、水中で撹拌するとほぐれてばらばらになりますが、水に強くなる薬品(湿潤紙力増強剤)を加えたトイレットペーパーは、水中でほぐれなくなる様子に生徒のみなさんは驚いていました。他にも、水が染み込みやすいろ紙に、水のにじみを防ぐ薬品(サイズ剤)を加えると、水がはじかれてなかなか染み込まないことを体験していただきました。実験を通じて、湿潤紙力増強剤やサイズ剤は色々な紙製品に活用されており、紙には用途や目的に合わせて様々な機能を付与できることを学んでいただきました。
更に、文字を複写できる紙として感圧紙(カーボン紙とノーカーボン紙)を紹介しました。カーボン紙はコピー用紙にも複写できるのに対し、ノーカーボン紙は特定の組み合わせでなければ複写できないことを体験していただきました。ノーカーボン紙には、発色剤が含まれたマイクロカプセルと顕色剤がそれぞれの紙の表面に塗布されており、筆記時の圧力でマイクロカプセルが壊れることで発色剤と顕色剤が反応し色が出ることを説明し、実際にカプセルを作る実験を行いました。
授業の最後には、普段、何気なく使っている紙製品に様々な科学技術が使われているように、身の回りには沢山の科学があふれているので、是非、色々なことに興味を持って楽しんでほしいとのメッセージを送りました。
授業の様子
撥水効果の実験の様子 ノーカーボン紙を体験する生徒