9/29 製品製造実習にてパイロットマシンで抄紙を実施しました!
農学研究科バイオマス資源学コースで実施している製品製造実習は、紙製品の企画、設計、原料調製から抄紙、加工まで一貫して行い、紙製品の製造過程を体験することでその一連の流れを学習するとともに、講義で得られた知識の理解を深めることを目的として実施している実機レベルの実習です。今年は、5月から学生の間でどんな紙製品を製作するか話し合いが行われました。打合せを重ね、皆で意見を出し合って今年は「紙産業イノベーションセンターの封筒」を製作することになりました。
製品に使用する紙はどんな材料を使おうか? 今年はどんな紙製品を製作しようかな?
製作する紙製品が決定したら、製品の特性を調べるために製品分析を行います。製品に要求される特性を調べた上で製品設計を行い、次に、設計した条件で実際に紙を試作し、特性を確認します。
まずは、ラボスケールの抄紙機を使って25 cm角の紙を手作業で作り、評価を行います。もし、目標値と異なる場合は再設計を行い、求める性能に近づけていきます。
手作業での紙の作製① 原料撹拌(分散) 手作業での紙の作製② 手漉きシート作製中
今年も大学院1回生、2回生で役割分担を決めて、製品の分析から使用する紙の設計・試作を重ね、議論・改善の過程を経て、いよいよパイロットマシンで抄紙を行うことになりました!
愛媛県産業技術研究所・紙産業技術センターが所有するパイロットスケールの抄紙マシンやビーター(叩解機)をお借りして、実習スタートです!
9月29日 抄紙
9/27~9/28日にかけて調製した原料を基に、いよいよ抄紙マシンを使用して紙を作ります。
抄紙機運転前に内村センター長より安全面の 安全第一!気合を入れて!
注意喚起。みんな真剣に聞いています。
タンクの原料に薬品を加え撹拌します。 いよいよ抄紙スタートです!
原料を撹拌している間に抄紙機について学びます。 内村センター長による熱血指導が続きます!
抄紙機で抄紙した紙が現れました!! 皆で目標としている用紙品質になっているか、
出来栄えをみんなで確かめます。 均一にできているか、チェックします。
抄紙機各部の原料流量、温度、圧力等のモニタ 抄紙が進む間に並行して、抄紙機の工程解説が
リングポイントの確認、解説が行われます。 行われます。
綿密な計画と事前準備により、大きなトラブルも 愛媛県紙産業技術研究所/紙産業技術センターの
なく、順調に紙が巻き取られていきました。 皆さまにご協力・ご指導を賜りました。
立派な巻取り(紙)が出来ました! 全員金メダル!! 成績評価も「秀」…?(笑)
パイロットマシン(機械)で作った紙と実験室のテーブルテスト(手作業)で作った紙とでは、同じ原料でもできあがる紙の物性が異なります。通年、パイロットマシンで試作を行い、改善点を抽出してから紙の再設計を行い、再度パイロットマシンで試作します。しかし!今年度は!なんと!一発で!目標値をクリアした紙ができました!
愛媛県産業技術研究所・紙産業技術センターの皆さま、ご指導・ご協力いただき誠にありがとうございました。
次は、この紙を加工(断裁、印刷、製袋)して製品(封筒)にします。
それは、また次回ご報告します。